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グリオと現代アフリカン・ポップス

音楽の宝庫と言われるマリ共和国。それは、マリ帝国時代から延々と続くグリオの音楽世界が基盤となっています。その伝統音楽は西洋の音楽と混じりあい、今ではアフリカンポップスの雄として、欠かせない存在です。最近ちょっと新しいアルバムが出ていないのが残念です。

マリの代表的CD

サリフ・ケイタ
日本にも馴染みの深い、サリフ・ケイタ。現在バマコ郊外のクラブ「モフー」を拠点に活動し週末にはライブを行っています。彼の伸びやかな高音の歌声は喉の強さもあって「神掛り」とも言える凄みさえあります。現代アフリカ音楽を世界に押し広めた立役者であり、誰にも真似のできない独自の歌唱法を完成させたアーティストです。
M'BEMBA ムベンバ
2005年10月19日発売の新譜。アコースティックギターのメロディーといいカッティングといい、バックでパーカッションがオシャレに効いていて、ドキドキするくらいカッコイイアルバムです。最高の出来」と評判が高いのも頷ける作品。アップテンポの曲は軽やかに、少しずつ高揚感が増していきます。特に7曲目のギターとパーカッション、サリフの「カカカカ・・」は唸るほどカッコイイ!!アフリカ物が不作の2005年、おそらくNO. 1アルバムでしょう。
モフー
モフーサリフの前作。今聞くと新作ムベンバに比べて荒削りな感じがしますが、澄ましていないところが好きです。特に軽やかな6曲目だけで十分私にとって価値あるCDです。
 
 
 
Folon フォロン
「Soloソロ」が彼の最高傑作とされ、新作ムベンバの評判は「最高!」と名高いが、私はなんてったって、この1995年発売の「フォロン」が一番好き。軽快なリズムがステップを、幸せを呼びます。特に3曲目「アフリカ」はお宝です。「たくさん食べてたくさん踊って、アフリカはすばらしい!!」というような単純な歌詞ですが、そんな単純さがすばらしいアフリカ賛歌になっています。
TINARIWEN ティナリウェン
砂漠のフェスティバルで最も注目を浴びたのが、このティナリウェン。砂漠のブルースを代表するグループの一つです。
79年、マリ東北部キダルの出身者のトゥアレグ人達によって結成されたというティナリウェンですが、1990年前半のトゥアレグとマリ政府軍との衝突の時代、若き戦士から絶大な支持を得ていたなど、歩みも音楽性も非常に骨太です。
Amin Iman:アマン・イマン〜水こそ命
2008/2/11発売3年ぶりの新作。1作目と同じジャスティン・アダムスをプロデューサに迎えて、よりへヴィーに、よりタイトに。洗練された仕上がりになっています。
myspaceで試聴
 
 
 
The Radio Tisdas Sessions
2001年彼らのファーストアルバムになります。 全体的にゆっくりとしたリズム、太くうねるような男性の声、骨太なサウンドに軽快さを加える女性コーラスと打楽器。聞くほどにその麻薬的とも言える魅力に惹きこまれるヘビーローテーションの一枚です。私はこの最初のアルバムが一番好きです。
 
Amassakoul アマサクル
ヨーロッパツアーを経たティナリウェンの2004発売となった2枚目のアルバム。中にはレゲエやラップなどの要素を取り入れた曲もありますが、全体を流れる力強さ、ゆったりと流れるリズム、繰り返されるうねりなど、ティナリウェンの持ち味に変わりはありません。
 
 
Tartit タルティット
トンブクトゥやグンダムを拠点とする5名の女性と4名の男性からなるトゥアレグのユニット。数年前からエレクトリック・ギターを導入したTartitですが、基本的にはtinde(太鼓)やtehardent(3〜4弦楽器)、imzad(1弦バイオリン)などのトゥアレグの伝統楽器が使われています。
このシンプルな楽器構成に加えて、ハンド・クラッピング、男性の腹の底から出される声、女性の高音のトリル、リードヴォーカルとコーラスによるコール&レスポンス、それらが繰り返しの中で、渾然一体となり、うねる様な陶酔の世界を作っていきます。
Tartitが作リ出すトゥアレグの高貴な陶酔の世界は、音楽だけではなく、優れたダンサーIssaをはじめ、Discoなど女性陣の踊りで表現されます。 Tartitの本当の魅力を伝えるためにはダンスは不可欠です。是非ともDVDの発売や来日を果たして欲しいものです。
アフリカ通信 blog参照
Abacabok アバカボク
Tartit Abacabok2006年10月24日発売の新譜。前作Ichichilaはアメリカ発売のみでしたが、Abacabocは全世界発売。トゥアレグの伝統を踏襲しながら、より強力な陶酔の世界に誘ってくれます。イチオシアルバム。
myspaceで試聴する
 
Abdoulaye Diabate アブドゥライ・ジャバテ
Samory
(ジャケットはアフリカ発売です)スピード感もあります。ノリも非常によい。アブドゥライ・ジャバテもまた、ステージで本領を発揮するアーティストだと思います。多少音程に緩みがありますが、そこがアフリカ的?最近ヨーロッパ勢がプロデュースするアルバムは音程がきちっととられ過ぎているようにも思います。この”ゆるゆる感”がノリの良さだと思うのですが、いかがでしょう?
ALI FARKA TOURE アリ・ファルカ・トゥーレ
In the Heart of the Moon
In the Heart of the Moon「元祖」砂漠のブルース、あるいはアフリカンブルースがこのアリ・ファルカ・トゥーレです。サリフ・ケイタと並ぶマリ音楽界の大御所ですが、残念ながら2006年に病気で他界しました。この作品が遺作となってしまいました。
ニジェール川沿いのNiafunke出身で最後は市長をしていました。まだまだ作品を期待され、マリ人に深く愛されるアーティストです。
mysupaceで試聴する
フィール・ライク・ゴーイング・ホーム
フィール・ライク・ゴーイング・ホームマーティン・スコセッシ監督のドキュメンタリー。日本各地で上映され高い評価を得た作品(DVD)。 ブルース発祥の地ミシシッピからマリを訪れ、ブラックミュージックのルーツを辿る。アリ・ファルカ・トゥーレ、サリフ・ケイタなどが出演
 
 
 
 
Issa Bagayogo イサ・バガヨゴ
カマレ・ンゴニの奏者・歌手であるイッサ・バガヨゴの音楽はとてもクールで知的。オシャレなクラブ・ミュージックにも聞こえますが、彼の歌声や女性コーラスは現代のマリアン・ポップスの流れを汲み、使用されている楽器にはしっかりセゲ・セゲやカリニャン、クスバなどドンソの楽器、そしてバラフォン、ドラムなど伝統楽器が使われています。
Tassoumakan
Tassoumakanマリの伝統音楽と現代ポップス、エレクトリニックが緻密な構成で組み合わさったアルバムです。思わず「カッコイイイー!!」と口走った、2004年のお勧めアルバム。
 
 
 
Keletigui Diabate ケレティギ・ジャバテ
バラフォンの伝説的マエストロ、ケレティギ・ジャバテは現在78歳ですが、アビブ・コワテの中心的メンバーとして今も活躍、このCDは彼の初ソロになります。ケレティギは1999年アビブと来日しており、記憶にある人も多いのでは。
Sandiya
転がるような美しいバラフォンのメロディーに絡むコラやギター、ドラム、笛、歌声・・聞いていると、その深い音に涙が出てきそうになります。美しく、やさしく、楽しい、満足のアフリカ音楽CDです。
 
 
 
Kene Balafons
Neba Solo
ケレンティギ・ジャバテの透明感のあるバラフォンとは違い、反響体の瓢箪がビリビリ震える。リズムを刻むジェンべ、バラフォンの瓢箪と重なりあうシェゲシェゲのシャリシャリ音、カリニャンの金の音。それらが渦を巻き、スピードアップしながら高揚感を誘い踊り手達をトランス状態に持っていく。 ん〜ん〜何度聞いても素晴らしい!! 民族音楽に興味のない人にもお勧め、バラフォンの最高アルバム。
 
Toumani Diabate トゥマニ・ジャバテ
Jarabi
カマレ・ンゴニと同じ瓢箪で出来ているとは思えないほど繊細な音を出すコラ。そのコラの、押しも押されぬ名手に成長したトゥマニ・ジャバテのソロアルバムです。 海外の大物アーティストとの競演など、活動の場を広げています。Jarabiはマリ人の大好きな言葉、バンバラ語で「愛」をさします。
 
Oumou Sangare ウム・サンガレ
Oumou (2枚組みアルバム)
Oumouウム・サンガレはマリの中で、最も有名な女性歌手です。マリ南部Wassoulouワッスルー出身の歌手として、伝統的楽器と現代の楽器を組み合わせ、力強い歌声を聞かせてくれます。その歌声の安定感と迫力そしてやさしさは、正に西アフリカのグリオの女王。 新しいCDが出ていると思うのですが、、、
 
Rokia Traore ロキア・トラオレ
Bowmboi
Bowmboi最近、他のジャンルのアーティストとのアルバム製作やステージなど積極的に活動するロキア・トラオレですが、ゆり籠のようにやさしく揺れる歌声は、何処までも繊細でしなやか、他の追随をゆるしません。ウム・サンガレとは対極をなすマリの歌姫。民族楽器の使い方も、とても上品で知的です。
 
Amadou et Mariam Bagayogo アマドゥ&マリアム・バガヨゴ
Dimanche a Bamako(バマコの日曜日)
Dimanche a Bamakoジャケットがとってもオシャレなアルバムですが、トンブクトゥ出身の盲目の二人組です。アメリカのブルースをうまく取り入れ、世界のメジャーミュージシャンの仲間入りをしています。マリをはじめ、ヨーロッパ でも人気。ちょっとクセがあるのでYou Tubeあたりで視聴してみても良いかも。
 

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